AIの進化が目覚ましく、「AIがついに感情理解までできる?」「AIに感情が生まれている?」と感じることってありますよね。
ですが、AIは感情を理解しているわけではありません。
ましてや、AIが感情を持つことはありません。
では、こちらのことを気遣ってくれるような一言を、さっと添えてくれたり、ねぎらってくれる、あの優しさはなんなの・・・?といった疑問がわきますよね。
これは、感情として表出された人間の言語情報を「データ」として大量に読み込み、
「会話を続けるために、最も確率の高い情報」として、言葉を表示させてくれていることになります。
ここで、心理学で定義されている「感情」を紹介します。
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「感情」比較的共通する見解として、進化の過程で獲得された、生き残りの可能性を高めるための素早い情報処理と反応の仕組み。
<感情を構成する4つの要素>
・認知的評価(感情を喚起させるような刺激や状況に対して、どう情報処理するか)
・生理的反応(心拍数や呼吸の変化など)
・表出行動(目を見開く、声を上げて叫ぶなど)
・主観体験(上記3つの項目を統合して得た本人の自覚で、言語化して報告)
出典元:有斐閣 心理学辞典
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つまり、焦り>>心拍上昇、急ぎ足になるなどの変化がなければ、それは「感情」にならないのです。
コンビニの店員さんの例:
「急に店が混雑してレジに人がいっぱい並んでいる!!」という状況においても、
ベテランはなんの気無しにさっさと客をさばき、
新人は、どぎまぎ焦って、うまくバーコードが読めない…
この時、ベテランの感情は動かず、新人は感情が発生しているといえます。
「あの時、超焦ったよ!!」という新人の主観体験として表出された「言語」を大量に読み込み、「通常レジに人が並んでも2名程度。バイト歴1ヶ月未満。レジに5名を超える人が並ぶという状況が発生」→「それは大変でしたね。うまく切り抜けられてよかったですね」といった「言語」を表出する、言葉遊びの世界にいるのがAIです。※つまり、焦り という感情をAIは理解していません。
言語化されることによって、私たちは状況や体験を理解するわけなので、AIのねぎらいも感情のようなものでしょ!といった誤認識をしていると、
AIの言うことを「人に言われたこと」と同じように処理し、結果的にAIに使われる人を増やすことになりかねないと感じるため、こわいなぁと感じるのです…
そう思いながら、もちろん私も、本日もAIに壁打ちを手伝ってもらったり、知識を教えてもらって、
心から「あ・ありがたいなぁ」と思っています〜!