「なんで、癌になったんだろう。」
死を連想させる、その病を目の前にして。
癌になった者は、繰り返し、自分に問う。
家族は、嘆き哀しむ。
周りにいる者は、
「心配」
という衣をまとった、憶測やアドバイスをまくしたてる。
もしくは、スキャンダルな視線で、問いかける。
癌である者の幸せを願うなら。
ご自身の幸せを生きてください。
もし、何か手を貸したいと思うのならば、
「今、生きている瞬間」が最高に素晴らしい時間であるよう、共に過ごす「今」をという時を、一緒に感じてください。
その一瞬、一瞬の積み重ねが、素晴らしい人生をつくるから。
癌を治すための手立ては、その人自身に委ねてください。
そして、癌になってしまった人は、なるべく多くの情報に触れてください。
治療方法、生き方、過ごし方、食事法、呼吸法、瞑想といった、治療に関連するものから、好きだった場所、昔の友達、大切な思い出など、心の拠り所にも。
自分自身を
「なんで、癌になってしまったの?」
と、追い詰めないであげてください。
「今まで、無理をさせてしまっていたんだね。ごめんね。こんな風になるまで、気づかなくてごめんね。」
精一杯生きてきたことに対する、ねぎらいの言葉を、かけてあげてください。
いつか死ぬのはみんな同じだから。
最期の時まで、なるべく輝ける一瞬、一瞬が積み重なっていけるように、
大切なものを選びとってください。
治す努力と、幸せに生きる努力を、同時に。
幸せに生きていられるのであれば、治らなくてもいい。
みんなが、自分の幸せに一生懸命であればいい。
わたしは、そうする。
今のマスメディアのあり方や政治のあり方が、
すなわち今の日本の、大多数のあり方なんだ、と思うとうんざりしたりもするけれど、だからといって、自分の幸せをあきらめる必要はないやね。
一瞬、一瞬。
明日も、大切に積み上げていきましょう。